2017 / 06
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 ≪ 改善報告 ≫

 私の両親は、2人同時期に認知症を発症しました。84歳になる母はピック病で現在は特別養護老人ホームに入所中、90歳の父はアルツハイマー型認知症なのですが自宅で一人暮らしをしています。2人は、認知症の適切な治療を受ける事が出来、今では大変落ち着いた生活を送っています。しかし、こうなるまでの道のりは大変なものでした。

 母は2000年に、夫婦喧嘩の後に「何もかも嫌になった」と泣き出すなど、今までになかった状態になり、かかりつけ医に相談したところ、うつ状態と診断され、大学病院の精神科を紹介されました。そしてそこでトレドミンを処方され、うつ症状は軽減して行きましたが、その後、物忘れがひどくなり、2005年にアルツハイマー型認知症と診断され、治療を受ける事になりました。

 アリセプト5㎎を処方されましたが、病状はどんどん進行しました。尿失禁が始まり、翌2006年には、自分が誰でなぜこの家にいるのかさえ、分からなくなりました。また、食べ物に異常に執着し、夜中に冷蔵庫の中の物を手当たり次第に食べたり、ジャムひと瓶丸ごと食べつくしたりしました。家事も、やる気はあってもメチャクチャで、ガス台にお椀をのせて火を点けたこともありました。

 今思えば、これらはピック病の症状そのものだったのですが、当時はそれに気がつかず、漫然とアリセプトだけを服用し続け、翌2007年に、母は胃潰瘍で大量に吐血し、緊急入院しました。そして、この入院をきっかけに、一挙に陽性症状が現れました。

 「帰る」と大声で叫んではベッドから降りようとする、それを制止すると殴る蹴る噛みつく、点滴を引き千切り、病院内の徘徊も始まりました。退院後、アリセプトを再開し、加えて抑制系のお薬も処方されましたが、興奮したまま泥酔したような状態に陥ってしまいました。
 認知症の進行に伴い、周辺症状も激しさを増す中で、母は身体的にもトラブルに見舞われ続けました。胃潰瘍が治れば誤嚥性肺炎を起こし、それが治れば帯状疱疹と、私も母も、息つく暇さえありませんでした。

 かかりつけ医から帯状疱疹の治療継続を断られ困り果てていた時、ケアマネさんを通して往診をお願いしたのが、現在、河野先生の認知症治療マニュアル「コウノメソッド」の実践医第一号としてご活躍の岩田先生でした。先生の診察で、母はアルツハイマー型ではなくピック病で、アリセプトの副作用で異常興奮しているのだと初めて分かりました。この時点でアリセプトは休止しました。

 そして私は、遅ればせながら、インターネットで河野先生のブログを丹念に読むようになり、そこで取り上げられていたフェルガードの効果を知って、「もうこれしかない」と思いました。

 そこで岩田先生と相談しながら抑制系の薬と併せてフェルガードを使う事にしました。最初はNEWフェルガードを一日2本から始めました。直に母の言葉がハッキリして来ましたが、逆に妙にハイな感じも受けました。その後フェルガード100M2本に切り替え、しばらくして月1本づつ増量し、10ヵ月ほどのうちに5本まで増量し、以後5本を保っています。

 フェルガード開始から7~8ヶ月かかりましたが、母の改善は顕著でした。その経過は、意志の疎通はあまりできないものの、徐々に穏やかさが増し、満面の笑顔まで出る様になりました。
笑顔
 フェルガードと反比例するように抑制系の薬は徐々に減らし、やがて全て必要なくなり、現在も一切使っていません。入所している施設でも、問題行動は全て消え、スタッフからは、「ちゃん」づけで呼ばれて可愛がられています。


 一方、父の場合は、物忘れ以外に目立った症状は無かったのですが、2004年の暮れに私の夫が現金や通帳を盗んだ、私も夫にそそのかされて盗んだなどと口にする様になり、被害妄想、物盗られ妄想が強く、興奮して、私の首を絞めるほど、攻撃的になっていました。

 しかし、母が診察を受けてから3ヶ月後、父も岩田先生の診察を受ける事ができ、アルツハイマー型認知症と診断されました。父の場合はアリセプト、グラマリールと合わせてフェルガード100を一日2本から始めましたが、4ヶ月ほどで妄想が治まり、全く別人のように穏やかに明るくなりました。
 攻撃的な父が、母の介護の邪魔をして困っていたのですが、おとなしくて明るい普通のおじいさんになってくれたのです。現在は、フェルガード100Mハーフタイプを一日3本にして、とても落ち着いており、母の面会にも行けるようになりました

施設にて


ここまでが改善報告で、この後に岩田先生から、 「経過報告とCT画像の説明」がありました。
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パンドラ

Author:パンドラ
2009.10 笑顔のみつこさん
このブログは、ピック病のみつこさん(継母)が特養に入所した'07年10月から始めました。レビーmixのよしおさんは'07年11月から認知症の治療を始めることが可能となり、医療を通じて、ふたりをみることができるようになりました。ふたりの改善の記録とその後の看病、看取り、3回忌法要までを綴りました。

(NEW)2000~2007に、みつこさんが適切な診断と治療を受けていないことに、私は何故気付けなかったのかを考えてみたい、そのことが今困っていらっしゃる方の助けとなることを願って、ブログを再開します。
(2015年2月)

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「患者家族としての気持ちの変化」
2009.5~6 報告

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